中村ゆきと未来とっとりプロジェクト 代表

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2026/06/30

「実家」という名の負の遺産

「実家」という名の負の遺産

先日、不動産会社と農業法人に、国道9号線沿いにある実家と田んぼを査定してもらった。

300坪の敷地に佇む2棟の実家は、解体に数百万円を要するため買い手がつかない。2反の田んぼも無償でなければ引き取り手がおらず、売却は絶望的だ。

地方の不動産は今や、所有するだけで不利益を被る「負の遺産」と化している。解体費が高騰する中、首都圏で暮らす一人っ子は経済的不安から身動きが取れない。そこへ親の介護や自身の生活費も重くのしかかる。

国は「空き家対策特別措置法」を改正し、放置空き家への罰則を強化した。しかも固定資産税を失いたくない自治体は、土地の放棄や寄付を受け付けない。

最大の足枷は、都市計画法の「線引き制度(区域区分)」だ。開発を抑制する「市街化調整区域」という過去の規制に縛られているため、過疎地での新たな土地活用が阻まれている。

行政手続きによる規制緩和は可能なはずだ。しかし、コンパクトシティを推進する地方行政は、市街地の拡大を嫌って見直しに消極的である。制度の狭間で、個人の財産が凍結されている現実を直視すべきだ。