中村ゆきと未来とっとりプロジェクト 代表

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2026/07/21

編集者冥利

編集者冥利

編集者と本の関係は、教師と教え子の関係に似ている。

教え子が大人になって自立し、活躍する姿を風の便りやメディアで知る喜びはひとしおだ。

昨日、「日本海新聞」(7/20)の読者投稿欄に『道をひらく』の文字が飛び込んできた。読者の方が、人生を豊かにしてくれた一冊との出会いを綴っていた。

『道をひらく』は松下幸之助さんの著書。1968年の出版以来、50年以上読み継がれ、累計570万部を超える日本屈指のロングセラーだ。

私がPHP研究所にいた頃、創設70周年で「500万部を達成したい」と当時の社長が言った。そこで提案したのが、ラジオでの連続放送だった。

声優・大塚明夫さんの重厚な朗読を、毎週5分間のスポットで全国放送した。営業は全国の書店に平積みをお願いし、式典までに目標は達成した。

本は「買う」「読み切る」「理解する」に加え、「目」も必要でハードルが高いメディアだ。一方ラジオは、病床でも運転中でも「ながら」で聴ける。

文字が音声になり、映像が加わる時代。作品の形を工夫して、より多くの人へ届けること。それこそが、これからの出版社の生きる残る道だ。