2026/09/27
日常を映画にする
日常を映画にすることは難しい。激しく心揺さぶるストーリーも、アクションもない。ただ淡々と時間が過ぎ、季節が移ろう。その間に人と人との距離だけが、少しずつ変わっていく。
昨日、鳥取市内にあるシネマドアで観た映画「メモリィズ」は、そんな映画だった。舞台として写真館を置いたことで、記録と記憶の連なりが鮮やかに描かれていた。
ふと思った。これを東京で観たらどう感じただろう。単身で鳥取に移住して半年、私には自分の日常を観るようだった。一人暮らしのよそ者に、声をかけてくれる人はいない。自ら動き、地域に入っていくしかない。
田舎は刺激がないと嘆く人がいる。確かに都会のように刺激は向こうからは来ない。田舎生活の刺激とは、つくられた非日常だ。
非日常は日常から切り離された贅沢品ではない。日常の積み重ねが、ある日幕が上がった瞬間に非日常に見えるだけだ。
田舎暮らしには覚悟がいる。だがその覚悟の先にこそ、記録が記憶となり、記憶が物語となる瞬間がある。映画を観てそう感じた。
