2026/10/12
若者幻想
半年ほど前まで東京のスタートアップ企業で顧問を務めていた。そこで感じたのは、なぜ起業の主役はいつも若者ばかりなのか、という違和感だ。
理由は二つ。一つは投資家の都合だ。彼らは失敗しても立ち直れる「時間」に賭ける。家族やローンのない若者の方がリスクを恐れないと見なされる。もう一つはメディアの都合だ。50代が物流を改善しても絵にならないが、22歳の大学中退者がアプリを作れば記事になる。「若者が世界を変える」物語は都合が良いのだ。
だが、現実は異なる。米国の著名な調査でも、成功する起業家の平均年齢は45歳とされる。豊富な経験と自己資金、そして何より強固な人脈があるからだ。
では、鳥取市はどうすべきか。若者起業支援はイメージ戦略として悪くない。しかし、地元の雇用や経済を今すぐ動かせるのは、地域での泥臭い稼ぎ方を知る40代〜50代のベテラン層だ。
若者には勢いがあり、ベテランには経験がある。早期に基盤となる確かな「仕事」を作り出せるのは、後者の力だ。
