中村ゆきと未来とっとりプロジェクト 代表

応援する メニュー

2026/07/29

マンション内のドクターコール

マンション内のドクターコール

「お客様の中にお医者様はいらっしゃいませんか」。飛行機や新幹線などで耳にするドクターコールだが、私の暮らすマンションには、まさにそんな頼もしい専門家たちが入居していた。

29世帯の分譲マンションに入居して30年。全戸持ち回りで理事長を経験したため、住民はみな顔見知りだ。

第一回目の大規模修繕の際、管理会社の説明に疑問の声を上げた住民がいた。彼を中心に、建設、保険、銀行、ゼネコン勤務の住民5名で「修繕委員会」が結成された。文章しか直せない私も加わり、任期は永遠、修繕のたびに招集される。

この委員会が管理会社と緊張感のある交渉を重ねるお陰で、相場より三割は安く修繕できている。

さらに、最上階には医師も暮らしている。住民間のトラブルはなく、私が鳥取市へ単身赴任している間も、残された妻にご近所が声をかけ、困り事があればすぐに駆けつけてくれた。

いまどきのマンションでありながら全戸表札には名前が入り、顔の見える関係がある。いざという時に機能する「マンション内のドクターコール」のような温かい繋がり、助け合いは、まず周囲の人を知ることから始まる。