中村ゆきと未来とっとりプロジェクト 代表

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2026/06/21

吾唯知足

吾唯知足

友人の衆議院議員・古川元久氏の座右の銘は、京都・龍安寺の蹲踞(つくばい)に刻まれた「吾唯足知(われただたるをしる)」だ。老子『道徳経』の「知足者富(足るを知る者は富む)」を語源とするこの言葉は、逆境をバネに学業を修め、政界を志した彼にふさわしい。

「足るを知る」とは、身分相応の満足を知ること。ここでの“身分”とは地位ではなく、置かれた立場や現状を指す。今あるものに感謝し、すでに満たされていると気づく姿勢である。

混同されやすい「分をわきまえる」とは意味が異なる。「分」は身のほど、「わきまえる」は道理を心得ること。出しゃばらない「抑制」の言葉だ。対して「足るを知る」は「感謝」の言葉であり、命令形で使えない点も異なる。

この視点で見れば、地方のハコモノ行政も問い直せる。新たな美術館、文化ホール、スポーツ施設を求める前に、足元の資源は十分か、今ある施設を使い尽くしているか。

足るを知ることは、縮小均衡の時代における重要な政治理念となる。