2026/08/13
ランキングが変わる時代
寿司屋の大将が握る手を止めて言う。「近海のサバが獲れなくなった」。海水温の上昇で、魚は減り、味も変わった。
農作物の地図も塗り替えられている。熊本と栃木。「フルーツ大国」と呼ばれる両県の平均気温は、過去100年で約2℃上がった。全国平均1.40℃を上回るペースだ。温暖化は現場を直撃する。
鳥取県も例外ではない。ここで起きているのは「作れない」ではなく「作り方を変える」ことだ。
八頭町では猛暑対策として平野部にドローン追肥を導入し、標高600mの冷涼地では「天空源流こしひかり」が復活した。これが「逃げる」戦略だ。
琴浦町の秋冬ブロッコリーは西日本有数の産地に育ち、2026年4月に「指定野菜」に追加される。これが「伸ばす」戦略だ。
そして鳥取大学乾燥地研究センターは世界初「トウモロコシコムギ」を開発した。乾燥と暑さに強い新主食は、将来の栽培適地を広げる切り札になる。これが「創る」戦略だ。
企業が環境変化に適応して生き残るように、農漁業も立ち止まれない。
鳥取市には鳥取大学と鳥取環境大学がある。気候変動の先を読んで、新品種・新栽培・新養殖を今つくる。成功すれば近い将来、鳥取県がフルーツ大国になる日も夢ではない。
