2026/08/21
「秩序」だけでは地方は守れない
鳥取市内の外国人住民数は1985人(2025年12月末時点)だ。首都圏と鳥取県とでは、外国人対策の緊迫感が全く異なる。
先日、市内の電機会社の社長から話を伺い、それを痛感した。
首都圏では政府の「秩序ある受け入れと安全・安心の最優先」の方針が色濃い。ルール徹底の強化は国民の安心に必要だが、鳥取市の実情は異なる。
市内で働く外国人は地域に溶け込み、経済を支える不可欠な存在だ。従業員の3分の1が外国人という企業もあり、現場に受け入れを抑制する余裕はない。
現政権下での懸念は地政学リスクだ。二国間協定の未締結による中国からの送り出し停止や、政情不安が続くミャンマーの軍事政権による人材流出制限が続いている。また、「円安」で日本で働くメリットが無くなりつつある。
特に鳥取県の農業や介護は中国・ベトナム人材への依存度が高く、供給が途絶えれば地方経済は崩壊しかねない。
国の画一的な政策で一部の違反を取り締まることは重要だが、地方の現実を無視した一律の縛りは地域を萎縮させる。
だからこそ鳥取県は、特定国に頼らない県独自の受け入れルート開拓や生活支援など、地域の実情に合った手を打たねばならない。国の「秩序」を前提としつつ、地方の「生存」を守る主体的な取り組が必要だ。
