中村ゆきと未来とっとりプロジェクト 代表

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2026/08/20

「名所」から「聖地」へ

「名所」から「聖地」へ

鳥取県岩美町のJR岩美駅近くの喫茶店。壁に貼られたイラストは、人気アニメ『Free!』。「岩鳶駅」は岩美駅だ。主人公の通学や大会出発の舞台として描かれ、日本のアニメが世界で注目される中、海外からもファンが訪れる。

鳥取県ゆかりの水木しげる、青山剛昌、谷口ジロー。鳥取は漫画・アニメの聖地の宝庫である。

近年はNHK朝ドラ『ばけばけ』やTBSドラマ『VIVANT』のロケ地も観光客を呼ぶ。かつて旅の目的は「名所旧跡」だった。今はテーマパーク、グルメ、体験、日常を味わう旅へと多様化した。名所旧跡は数ある魅力の一つにすぎない。

観光地でない場所が突然有名になる時代だ。成功の鍵は住民の理解にある。住民が迷惑すれば長続きしない。撮影禁止場所の明示、駐車場の確保、売上の地域還元、地元商品の優先販売。こうした仕組みに行政の観光部署の「陰の力」が欠かせない。

鳥取市出身のアシックス創業者鬼塚喜八郎の評伝『敗れてもまた走れ』もNHK朝ドラの原作の可能性を秘める。オニツカタイガーの世界的な人気を背景に、新たな観光スポットになり得る。だが新聞広告が出ても市内の主要書店に一冊も並んでいないのは惜しい。今こそ打てば響く商魂を発揮してほしい。