2026/10/06
人も建物も高齢化する
浜村温泉に越してきて何度も耳にした。「廃屋の旅館を何とかしてほしい」と。旧旅館街のメインストリートに2軒、雑草に覆われ中も見えない。
放置したまま温泉街の復活はあり得ない。住宅地も同じだ。屋根が落ち、壁が崩れかけた空き家が点在し、住民は気が気でない。
今年は平成の大合併から約20年。二つの時計が同時に鳴る。高度成長期に建てた学校、公民館、市営住宅が築50年を迎える「1970年問題」。加えて合併時には合併特例債で多くのハコモノが建てられた。鳥取市でも公共施設の6割がこの世代だ。
全てを維持すれば建設予算の2〜3倍が必要になる。到底無理で、「何を壊すか」を決めねばならない。
だが決められない。民間ならトップが決めるが、公共は議会、住民、教育委員会と利害が絡む。小学校の統廃合一つが選挙を左右するからだ。
建物の高齢化は、人の高齢化より待ってくれない。新しい施設に目を奪われる前に、壊す順番から決める覚悟が問われている。
