2026/07/01
日本海を錠剤に詰めろ
高齢者の多くは、健康不安から「転ばぬ先の杖」として、サプリメントや健康食品を頼り始める。しかし、これらは医薬品ではなく、厚生労働省の審査もないただの「食品」だ。
以前、痩せる健康食品会社の青年社長に裏話を聞いたことがある。その製造は驚くほど簡単で、粉砕した鰹節を錠剤の型に詰めるだけだったという。
彼らが最も心血を注ぐのは、成分の優秀さでなく、消費者が欲しくなる「ストーリー」の構築だ。信頼性を担保するための大学教授による成分分析も、その演出の一部に過ぎない。
「油分を分解する鰹節カビ」が、強力な物語として機能する。つまり、健康食品ビジネスの本質とは、優れた成分を売ることではなく、魅力的な「物語の背景」を売ることなのである。
そう考えると、一つの大きなビジネスチャンスが見えてくる。コレステロール低下で有名なキチン・キトサンが含まれる甲殻類の松葉ガニやモサエビの産地である鳥取県には、なぜか健康食品会社が少ない。「大山」や「鳥取砂丘」という、全国に誇れる背景も揃っている。
高齢者の心を動かす新たな物語を仕掛けてみるのはいかがだろうか。
