2026/07/06
復興とは何か
「復興特別税」は2011年の東日本大震災の復興財源として創設された。だが、「復興した」といつ言えるのか。
行政と被災者のゴールは違う。行政はインフラ復旧だ。一方で住民が求めるのは、物理的修復の先にある日常の安心感だ。暮らしの自立とコミュニティの再生である。
祭りや地域の集まりが戻り、孤立する高齢者がいない。医療・福祉・教育が整い、子どもが「この町に住み続けたい」と思える。建物が新しくても活気と心がなければ、それは復興ではない。
防災学では、「復興」を「被災前に戻すこと」ではなく「痛みを乗り越え、新しい地域で安心して暮らせると納得し、未来を描ける状態」と定義する。
これは、少子高齢化と若者流出に悩む地方都市の課題と同じではないか。復旧が遅れれば人は土地を離れ、街は消える。
2000年の鳥取県西部地震。大山麓の集落が壊れた時、片山善博知事は「集落が消える」と判断した。国の制度は個人宅は対象外だったが、県は全国初の「被災者住宅再建支援制度」を作り、住宅再建に県税を直接補助した。住民流出を止めた「コミュニティを守る公共投資」である。これが後に国の法律のモデルとなった。
