2026/08/01
求む!二刀流
「企画実行力」という言葉がビジネス書で多用されるようになったのは、バブル崩壊後である。理由は一言でいえば、「考えるだけの人」と「動くだけの人」が増えすぎたからだ。
バブル期は、営業が案件を取り、企画部が案を出し、制作部が形にするという分業が徹底していた。しかし不況で人員が削減され、「一人で企画から納品までやれ」という現場が当たり前になった。そこで「企画も実行も両方できる人」を指す言葉として「企画実行力」が生まれた。
人事評価も変わった。「まず作って、出しながら直せ」。アイデア会議に3カ月かけるより、1週間でLP(ランディングページ)を作りテストする方が評価される。企画書が上手い人より、企画して金曜までに公開できる人が求められ、「企画実行力」は採用の条件の一つとなった。
それでも今なお、美しく作成された企画書を語るだけで満足し、実行を他人に丸投げする「考えるだけの人」は少なくない。どれほど優れたアイデアも、形にして世に出さなければ市場価値はゼロである。
会議室での「意見交換」で終わらせず、予算を確保し、泥臭く形にするまでやり通す。今、あらゆる組織で本当に必要とされているのは、課題や対策について語るだけのリーダーではなく、最後まで形にしがみつく「企画実行力」を持った人材だ。正に二刀流である。
