2026/07/22
貝殻節がつなぐ歴史と銘菓
気高中学校の運動会で全校生徒と「貝殻節」を踊った記憶は、今も私の心に鮮明だ。
かつて浜村海岸沖で大発生したホタテ貝の仲間の「イタヤガイ」の過酷なジョレン網漁において、漁師たちが辛さを紛らわせるための労働歌として歌い始めたのがこの民謡のルーツである。
時代の変化とともに貝は採れなくなったが、その歴史は毎年8月の「貝がら節祭り」や地元の銘菓「貝殻もなか」へと受け継がれている。
全国の銘菓がそうであるように、菓子とは単なる食べ物ではない。土地の歴史や人々の暮らし、そして旅の記憶を背負った物語の「証人」なのだ。観光客が土産を買うのも、菓子が語る旅先のストーリーがあるからにほかならない。
このストーリー性は地域を盛り上げる強力な武器になる。例えば、鳥取県倉吉市出身の関取・伯乃富士が大関昇進した暁には、それを祝い、代表名物「打吹公園だんご」をすべて力士が好む「白星」の白色に変えた限定版を作ってみてはどうだろう。
東京のアンテナショップ等に山積みにすればマスコミの注目を集め、絶大なPR効果を生むはずだ。
地元の喜びや期待を銘菓に託し、和菓子に地域の歴史をどんどん語らせよう。
