2026/07/24
「風桶」で回す
「風が吹けば桶屋が儲かる」という諺がある。私はこの諺こそ、地方創生のキーワードだと思う。
最近、地方都市の在り方について「エコシステム」という横文字をよく目にする。
何ということはない。「風桶」のシステムを構築した街のことである。因果が遠くまで繋がる仕組みと同義だ。
鳥取県八頭郡八頭町の「大江ノ郷自然牧場」は、まさに教科書レベルの地域エコシステムだ。
1個の卵から地域が回り始めた。1994年、当時珍しかった平飼い養鶏を始め、「天美卵」を売り出した。やがて卵はスイーツ・パン・ハム・ソーセージへと加工される。さらに直営店、カフェ、宿泊施設、体験スタジオを整え、「食育リゾート」として全国から年間36万人が訪れる人気スポットになった。
地域全体が潤う仕組みも出来上がった。近隣農家の野菜や果物を仕入れ、地域農業を活性化する。施設で働く人が増え、鳥取観光のモデルルートとして認知される。
行政に必要なのは、「桶屋が潤うように風を吹かせる」設計力と民間への支援だ。
1つの資源を起点に、産業も雇用も観光も回す。鳥取市にはまだまだ手付かずの資源が眠っている。
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