2026/07/28
ムリダンガムから学ぶ守破離
先日、鳥取県文化芸術事業評価委員会の会合があった。今年、私が評価を担当する分野は、なんとミュージカル。最も縁遠い芸術である。8月下旬の鳥取県ミュージカル連盟合同公演に向けて、ここからは学び直すしかない。
その第一歩として、鳥取市内のミニシアター「シネマドア」で上映中のインド映画『響け!情熱のムリダンガム』を観た。身分制度を背景に、伝統打楽器の師匠の下で基礎を叩き込まれ、挫折し、やがて自らの音で舞台に立つまでの軌跡が、ひたむきで胸を打った。インド映画ならではの歌と踊りの圧倒的な熱量に魅せられ、知らず知らずのうちにつま先でリズムを取っている自分に気づく。
エンドロールを追いながら、頭に一つの言葉が浮かんだ。「守破離」。日本の武道や芸道に伝わる学びの三段階だ。型を守り、型を破り、やがて型から離れて自らの道を創る。まさにこの映画が描いていたのは、音楽を通じた守破離そのものだった。
道を極めるとはどういうことか。娯楽として楽しみながら、その本質に気づかせてくれる作品だった。
「ミュージカルの評価」という宿題を前に、不安はいつしか小さな希望へと変わっている。まずは「守」から始めよう。
