中村ゆきと未来とっとりプロジェクト 代表

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2026/09/02

第二の災害

第二の災害

9月1日は、防災の日だった。私は映画『福田村事件』を鳥取市内のシネマドアで観た。1923年9月1日に発生した関東大震災直後、「朝鮮人が井戸に毒を入れた」という流言(デマ)を真に受けた自警団が、罪のない中国人、朝鮮人、そして日本人を虐殺した事件だ。各地で犠牲者約6000人の重みが胸に突き刺さる。

これは過去の過ちではない。東日本大震災での「外国人窃盗団」、熊本地震での「井戸に毒」、能登半島地震での偽の救助要請。現代の災害時にも、SNSには悪意や偏見に満ちた言葉が平然と流れている。

最大の教訓は「流言は災害と同じように人を殺す」ということだ。私たちが取り組むべき防災は、水や食料の備蓄だけではない。不安が生み出す流言、集団心理、差別という「第二の災害」をいかに防ぐかである。

ネット社会の今、情報の拡散速度は100年前の何万倍にも跳ね上がった。「良かれと思って」という小さな善意のボタン一つが、誰かを追い詰める凶器へと変貌する。

映画館を出て、私は強く心に誓った。「一応拡散」という名の、顔の見えない加害者には決してならない。真実を見極める目を養うことこそが、最も身近で重要な「命を守る訓練」なのだと。