2026/10/11
仕事あっての暮らし
人口減少に抗おうと、行政は移住促進に躍起だ。だが安い家賃や補助金を積んでも、仕事がなければ人は来ない。
熊本はその実例だ。台湾TSMCの進出を起点に、関連企業が集積し、アパートは満室、時給は跳ね上がった。かつて金鉱が見つかれば一夜で町ができたゴールドラッシュと同じ理屈だ。仕事が人を呼び、人が暮らしを呼び、町ができる。
鳥取市も例外ではない。鳥取三洋電機があった頃、若葉台も浜村も人口は増え、街に活気があった。工場が去り、残ったのは家だけだ。
政治家が企業誘致に汗をかくのは、雇用がすべての土台だからだ。子育て支援も重要だが、稼げなければ子どもを育てられない。
若葉台や浜村新町の分譲地で空き家が増える理由は「家が古いから」ではない。「近くに稼げる仕事がないから」だ。市の調査でも、若者が転出する理由の上位は常に「希望する仕事がない」だ。
人口減少を止めるためには、住宅補助より先に、仕事をつくることだ。
