2026/08/19
宝木の水は命水
地名はその土地の歴史を語る。東京の池袋、沼袋のように「袋」がつく地名は、かつて湿地で地盤が弱かった。逆に常盤、常盤台の「盤」は地盤が固く、高級住宅地が多い。
その土地の価値を証明するもののひとつが地ビール工場だ。
JR宝木駅の山側に銀色のタンクがある。ウイスキーでも知られる倉吉市の松井酒造が、近年建てた気高工場である。
気高町の水質の特徴は、市内中心部の千代川水系と違う点にある。豊かな地下水と湧水を水源としている。気高の水は昔から地域の飲み水として暮らしを支えてきた。
マツイビールは麦芽・ホップ・水のみで造る本格派ラガービール。その良質な水があるからこそ、松井酒造にとって宝木の地は単なる工場用地ではない。おいしいビールに欠かせない「水」を確保できる、絶好のロケーションなのだ。まさに宝木の水が育んだ地ビールである。
私が子供の頃、地域を流れる川は上流の製紙工場の排水で真っ黒く、鼻をつく匂いがした。これも昔から水に恵まれた土地であることの証明だ。
キンと冷えた地ビールを飲みながら、気高町の将来に夢が膨らむ。命の水が、地域の未来も育ててくれると信じている。
