2026/08/10
消えゆくルーツの拠点
NHKの「ファミリーヒストリー」を見るたび、自分のルーツも辿ってほしいと思う。人は皆、どこから来たのかを知りたいのだ。
お墓は、その答えを持つ「記憶の住所」である。たとえ戸籍が失われても、墓石と寺の過去帳があれば家系は辿れる。
しかし今、その拠点が危機にある。後継者不在で維持できず、放置され無縁墓化するケースが後を絶たない。また「墓じまい」が進めば檀家が減り、寺院の存続も揺らぐ。
昭和型の冠婚葬祭は既に崩れ、結婚式場も葬儀社も淘汰が進む今、供養の形も変える時が来ている。
行政に求められるのは、墓じまいを止めることではない。混乱なく尊厳を守って終える仕組みである。全国では30自治体が同様の支援に着手した。鳥取市でも「終活支援・死後事務」の試験事業を始めている。
大切なのは、「墓じまい=先祖を捨てる」ではないということだ。「供養の形を、家族・寺・地域でアップデートする」と捉え直したい。
ITも有効な道具になる。オンライン墓参や家系図クラウドは、たとえ距離が離れていても「誰が誰を想うか」を繋ぎ続けてくれる。
人の記憶に残ることは、死を超えて生きることだ。お盆も近い。明日は墓掃除に行こう。
