2026/08/23
給与明細には「兼務手当」はない
市役所の職員の方と名刺交換する機会が増えた。役職に「兼」の文字がある人が多い。一つの組織や関連業務を掛け持ちしているためだ。
私も編集長就任と同時に、インターネット開発室室長を兼務した。二つの責任を負うなら給与も倍かと期待したが皮算用だった。席も給与も変わらず、増えたのは名刺の肩書だけだった。
調べると法律に「兼務=手当支給」の定めはなく、会社のルール次第だ。局長になり2局を兼務したが、役職手当はあっても兼務手当はなかった。
会社側のメリットは「コスト削減・機動力・人材育成」だ。1人で2役をこなせば採用コストが抑えられ、意思決定も早い。
一方でリスクもある。仕事量が増え退職者も出る。責任の所在も曖昧になり、専門性も落ちる。特に人事異動の多い市役所は、専門性を高めにくい。
要は兼務とは「安く・早く・柔軟に動ける人材を作る仕組み」だ。採用難の鳥取市では、近い将来、「1人3役」が当たり前になるかもしれない。だからこそ権限委譲と「兼務手当」などの適正評価が必要だ。職員は大谷選手ではない。二刀流でも限界はある。
