2026/09/11
地方メディアの明日
首都圏から鳥取市へ移住して驚くのは、地上波の少なさだ。映るのはわずか5局。うち民放3局は、東京のキー局の番組をそのまま流すだけの存在に近い。
若者のテレビ離れと広告費のネットシフト。制作費が削られた地上波は、長時間枠のひな壇トークや食べ歩きばかりになり、良質なコンテンツを求める視聴者がネット配信へ流れるのは必然だ。ここ鳥取でも、高速回線での動画視聴は日常である。
また、業界の主従関係は世界で逆転しつつある。韓国ではテレビ局ではなく、コンテンツを持つ制作会社が主導権を握る。この地殻変動のなか、日本の地方メディアが生き残る鍵は、自主放送を持つCATV(ケーブルテレビ)だ。
武器にしたいのは、米国発の「バーターシンジケーション」という知恵である。番組を現金で買わず、「無料提供の代わりにCM枠を渡す」という広告枠とコンテンツの物々交換だ。かつて日本の地上波も独自の系列システムでこれに似て非なる仕組みを築いたが、今こそ地方CATVが応用する時である。
世界から名作をコストゼロで調達し、鳥取・鹿野の市民ミュージカルのような地元の宝を番組にして全国へ売る。CATVがコンテンツの「商社」となる時、地方メディアの未来が開ける。
