2026/09/28
食材を語る
市内のイタリア料理店「Monte」で、同窓会の幹事会の後、十数人で食事をした。鳥取の食材にこだわる店だ。
料理にシイラのフリットが出た。イタリア式の揚げ物である。これまで刺身と煮付けしか知らなかったが、外はサクッと中はふわり、旨い。
シイラを知らない人がいたので、私が解説を買って出た。ワインが入っていたため、調子に乗って、余計なことまで喋った。
「シイラは漂流物に集まる習性から、昔はシビトクライ(死人食らい)と呼ばれ、食べない地域もあったそうだ」
その瞬間、大皿から一斉に手が引かれた。言い出しっぺの私が、女性の分まで引き受ける羽目に。
気を取り直してのメインは、鮮やかな赤身肉。弾力が違う。「鹿か」とつぶやいたら、女性陣が店員に確認へ。なんと和牛のハツだった。
食材の背景を知れば味は深まる。だが語りすぎれば味は逃げる。料理にはプロの一言が添えられるのが一番だ。にわか解説者は嫌われる。もちろん、料理はすべて美味しかった。
